2009年11月01日

ハンドソーンウエルテッド製法靴のオプション



ハンドソーンウエルテッド製法の手縫い靴の場合、ウエルトは手縫いですが、ウエルトと底材の革を縫い合わせるのは、標準は9分仕立てと言われている、ミシン縫いですが、オプションで手縫いでの、フルハンドソーンでの製作もお受けいたします。 また、ウエスト部分を細く絞ったヴェヴェルトウエストは機械ではミシンがかけられず、手縫いでしか製作できませんが、ヴェヴェルトウエストの製作もオプションとしてお受けできるようになりました。 他には、通常は土踏まず部分に入るバネ(シャンク)という部品は金属製ですが、革シャンクでの製作、先芯も皮革を使用しての製作も、オプションとしてお受けいたします。



 



オプション1 ●手縫いでのダシ縫い



  
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ウエルトと底材を、ダシ針という道具を使い小さな穴を開け、麻糸で一針づつ手作業で縫い付けてゆきます。2.5mm間隔・(ウエルト縫いに比べ、1/3~1/4)・という細かなピッチで縫い付けるため、相当な熟練と、非常に根気の要る作業です。



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 一足が縫い上がりました。機械縫いに比べて数十倍の時間がかかります。



  
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 手縫いでのダシ縫いは、強度や実用を考えたときには、差はあまり感じられませんが、



ウイルというギザギザ模様とピッタリと合った繊細な縫いあがりと、手縫いの味わいがあり、



非常にステイタスがある、靴に仕上がります。



また、ヴェヴェルトウエストの底にする場合は、機械では縫えないため、手縫いが必要です。



もちろん、誰にでもできるワケではなく、相当な経験と熟練が必要です。



 



オプション2  ●先芯を皮革製とすることもできます。



天然素材である良さと、耐久性の高さが魅力です。



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オプション3  ●シャンクを皮革製にすることもできます。



天然素材であることと、何年も履き続けても、折れたりすることがなく、同じ状態を保ち続けます。



日本のみならず、海外でもなかなかお目にかかれない珍しい製法です。



 



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オプション4  ●底の形状をウエスト部分をグッと絞ったヴェヴェルトウエストにすることもできます。



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 スマートなかっこいいフォルムに仕上がります。

(ヴェヴェルトウエストは手縫いでの出し縫いでの製作となります。)



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2008年10月30日

ハンドソーンウエルト製法とグッドイヤーウエルト製法の違い



高級紳士靴の製法として名高いグッドイヤーウエルト製法は、電気や大型の機械が無い時代、数百年も前から延々と引き継がれて作られてきた、二重縫いの手縫い靴、つまりハンドソーン(手縫い)ウエルト製法の構造を、機械で製作できるように改良された製法です。

当時はこの複雑な製法は機械化できないとされていましたが、その方法を開発した人物がグッドイヤーという人で、その名前が冠され、グッドイヤーウエルト製法と呼ばれています。

では、この二つはまったく同じなのか?というと、そうでもありません。

ハンドソーンウエルト製法は、手の込んでいるだけで価格が高い、だったらグッドイヤー製法で良いのでは?

と思われる方もおられますが、実はかなりの違いが有り、ハンドソーンの優位性も多くあります。

その構造の違いを紹介したいと思います。









ヨーロッパの有名メーカー、グッドイヤーウエルト製法の靴を分解してみました。    

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中底は約3mm厚、その中底に「リブ」と呼ばれる布製の山を接着してあり、その「リブ」に対して、アッパーとウエルトを機械で縫い付けるという方法で製作してあります。

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接着材で「リブ」という布を接着してあるので、古くなるとやはりはがれてきます。

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中底と底の間にはコルクがつめてあります。

機械で縫いやすくするため?リブの高さがあるので、その高さを埋めるために、中底よりも分厚いことがわかります。

当然、底の厚みはかなりの分厚さになります。

ウエストの部分も厚くどっしりと頑丈な感じでスマートさはあまりありません。

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対してハンドソーンウエルト製法では、約5mmほどもある厚手の中底に溝を掘り、縫うための山を作り、その山に対して、アッパーとウエルトを一針ずつ、手作業で縫いつけてゆきます。

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中底そのものに縫い付けているので、はがれるということはありません。

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リブのような異質なものが無いために、コルクも必要最低限です。

グッドイヤー製法に比べて、骨格ともいえる中底が分厚く丈夫、つまり耐久性に優れています。

それでいてリブのような異質なものが無いために、曲がりやすく、足になじむのも早いはずです。

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手作りである特徴として、ウエストラインが踵に近づくにつれて、細くなるというように、スマートで繊細な作りにすることも出来ます。


 



と、いう感じでハンドソーンウエルト製法はただ手がかかっているというだけではなく、グッドイヤー製法に比べて、多くの優位性があるわけです。



グッドイヤー製法は機械製法であるための制約も多く、一足一足のオーダーメイドには向きません。

細かな対応が出来るということも、ハンドソーンウエルト製法の特徴です。

ハンドソーンウエルト製法の詳しい構造は、「ハンドソーンウエルテッド製法の構造と特徴の紹介」をご覧ください。











■古いグッドイヤーウエルト製法の靴の中底を内側から撮影したものです。■

足の形がくっきりついています。

このように、中底が自分の足の形にクゼ付けされて、足になじんでゆきます。

グッドイヤーウエルト製法も、ハンドソーンウエルト製法も、長く大事に履いてこそ、値打ちのある靴です。

修理をしながら、手入れをして履けば、一生モノと言っても過言ではありません。

エコですね。


 
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2008年10月09日

製法の紹介



靴の製法は、主に底付けの方法の違いで分類されています。

底の素材は、主に革底と、化学合成(ゴム系・スポンジ系・ウレタン系など)に分類されます。

当店では、革底はハンドソーンウエルト製法とマッケイ製法、合成ゴム系・スポンジ系は圧着セメンテッド製法を製作しています。

ウエルト製法でゴム底、マッケイ製法でゴム底ということも可能です。



当店で製作している製法



革底 ハンドソーンウエルト製法(手縫い靴)

       

              
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数百年の歴史がある代表的な手縫い靴の製法で、本格的なオーダーメイドの高級紳士靴でしか採用されない、たいへん手の込んだ、贅沢な作りの製法です。

中底が厚くしっかりしていて、馴染めば足の形に癖付けされ、吸排湿性があり、構造的にも丈夫で安定感があり、型崩れせず何度も底替えでき、しっかり手入れすれば長く付き合える靴です。

反面、硬く、重いために、足に馴染むには時間がかかります。

底も含めて、素材のほとんどが皮革であるため、手入れも怠れません。

この製法を機械化したグッドイヤーウエルト製法の靴が、高級紳士靴の代表的製法として、広く採用されていますが、ハンドソーンウエルト製法は、超高級な紳士靴の代名詞的な製法であり、靴作りの究極と言われています。 



 



 革底 マッケイ製法



        
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ウエルト製法と並んで、高級紳士靴に多く用いられる革底の製法です。

ウエルテッド製法より構造が簡単で、中底からアッパーを挟んで、底材とを一緒に、大型の専用ミシンで縫い付けます。

ウエルト製法に比べ、中底や底材が薄めで、軽く屈曲性が良く、ファッション性の高いイタリア製の、スリッポンタイプ、ローファータイプの靴に多く用いられています。

耐久性はウエルト製法に劣ります。また、構造上、水にも弱く、注意が必要です。





合成ゴム・スポンジ等 圧着セメント製法



アッパーと底材を接着剤で貼り付けると言う方法で、合成ゴム系、スポンジ系など市販靴のほとんどがこの製法です。

軽い素材、耐久性のある素材、いろいろな選んでいただけます。

市販靴の多くは修理不可能ですが、当店で製作した靴は、底替え、かかと交換可能です。



 



 


2008年10月06日

ハンドソーンウエルテッド製法の構造と特徴の紹介



 



靴作りが機械化される以前の手縫い靴の代表的製法がハンドソーンウエルテッドと呼ばれる方法です。



市販靴ではこの手縫い靴の製法を機械化したグッドイヤーウエルテッドと言う製法の靴が高級本格靴として一般的です。



 
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構造図 

 
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切断写真 

 
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拡大写真



ハンドソーンウエルテッド(手縫い靴)の特徴と製法 数百年も前から伝わる手縫い靴の代表的製法であり、靴作りの完成形でもあります。 

厚みが4mm前後もある中底のその厚みの中に麻糸を通しアッパーとウエルトと言う細革とを縫い合わせ、その細革に対して底材を縫い合わせると言う、複雑な構造をしています。

中底が厚くしっかりしていて、構造的にも丈夫で安定感があり、型崩れせず、何度も底替えでき、しっかり手入れすれば長く付き合える靴です。

重さがあるため、振り子の原理で長く歩いても疲れにくく、直接靴の内部まで通る縫い目が無いので比較的、耐水性も優れています。

始めは硬く、馴染むのに時間がかかりますが、履き込めば、中底が自分の足の形に癖付けされ、足に馴染んできます。

底材が全て天然素材でできていることから、吸排湿性が良く、足ムレもしにくいと言う特徴があります。 このように、複雑な構造で、多くの材料と技術、時間がつぎ込まれている製法のため、コストがかかり、軽さや屈曲性にも限界があります。

昔は靴が高価であり、何度も修理して長く履くのが当たり前だったので、修理もしやすいような構造になっているとも言えます。

この複雑な製法(特に中底とウエルトを縫い合わせるすくい縫い)を機械化した製法がグッドイヤーウエルテッド製法ですが、大型の機械が必要で、中底の加工もリブと言う、布で作った張り出しを接着するなどの加工が必要なため、ある程度の大量生産品で採用されています。

少量で多彩な対応が求められるオーダー靴の場合は、ハンドソーンウエルテッドが一般的です。







工程の紹介 

 
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まず、ラストに中底を釘で仮止めし、上の写真や下の図のように、中底にすくい縫いをする溝などを作ります。

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アッパーの釣り込みをした後、写真のすくい針と言う道具で中底、アッパー、ウエルト(細革)に穴をあけ、麻糸に松脂をつけて強度を高めた糸で、チェーンステッチで縫いつけていきます。この作業をハンドソーンウエルテッドと言い、製法の名称となっています。  
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厚み4mmほどの中底に2mmほどの深さで針を刺し込んでいくわけですから、靴の内側に針先が出ないように、同じ間隔で、針が出る場所もそろえて縫い付けていかなければなりませんし、力も必要で、細い糸を手に巻きつけて力いっぱい引っ張るので、分厚い革の手袋をしていても、一足縫い終わった頃には、手が真っ赤に腫れていたります。 

 
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ウエルト(細革)を縫い終わったら、余分なところを切り取り整えて、段差を埋めるコルクをつけて、底面を平らに整えます。 

 
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 底材の貼り付け 5mmほどある底材の皮革を貼り付けて形を整え、隠し縫い(出し縫いの糸を隠して見えなくする縫い方)をする切れ目を入れていきます。
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薄く切り込んだ革を起して、出し縫い用の大型機械で底材とウエルトを縫い合わせます。
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超高級な手縫い靴の場合は、このダシ縫いも手で縫っていますが、ウエルト縫いと違い、機能的にも強度的にも、手縫いと機械で縫いに差はほとんど無いと考えています。



 
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隠し縫いのために開けた部分を接着剤を塗り貼り付けて元通りに戻します。
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一見、縫ってあるとは判らないようにします。

次にかかと部分を固定します。

 
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かかとは、底や中底に使う革を数枚重ね合わせ、ペースと言う木製の釘を打ち込んで固定します。一部、金属釘も使用しますが、木製の方がしっかり食い込み、また、削ることもできるので作業性にも優れています。年数がたっても、金属だと錆びて機能しなくなりますが、木製だと、しっかり効いています。
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かかとの滑り止めをつけて、ほぼ形になりましたが、これで完成ではありません。
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底材がほとんど革なので、この時点では、でこぼこ、がたがたの汚い状態です。写真のような半月形の金ヤスリなどで形を整えてゆきます。

このあたりの作業は、まるで木工細工の工芸品のような、繊細な作業です。



形を整えたら、ペーパーできれいに仕上げます。 着色して、熱したコテを当ててコバ面をきれいに整えてゆきます。

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すっきりきれいに仕上がりました。後は、きれいに艶が出るように、磨いてゆきます。

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かかとに化粧クギを打って、後は仕上げ作業で完成です。
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ここまで見ていただければ判ると思いますが、大変手の込んだ、時間がかかる製法であるため、合成の圧着セメント式と比べると、それだけ料金も高くなります、が、それ以上の価値、意味が十分にあり、また、手入れをし、修理をしながら、長く履いていただける靴です。



底の素材が革なので、滑りやすいのが革底の欠点ですが、色々工夫もできます。
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滑り止めのゴムが埋め込まれたタイプ。

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通常の革底に、滑り止めのゴムを貼り付けたタイプ
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ウエルテッド製法の場合は、ウエルトに対して縫っているので、コストを少しでも抑えたい場合、底に縫い目を出したままにすることもできます。

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こだわりの靴の場合、写真のような半カラス仕上げや、丸コバといった、さらに手の込んだ仕上げもできます。


マッケイ製法の構造と特徴の紹介

ウエルテッド製法と並んで高級紳士靴に多く用いられる製法です。
■マッケイ製法の特徴紹介■
ウエルテッド製法と並んで、高級紳士靴に多く用いられる革底の製法です。
ウエルテッド製法と違い、構造が簡単で、手縫いではなく、中底からアッパーを挟んで、底材とを一緒に、大型の専用ミシンで縫い付けます。
ウエルテッド製法に比べて、中底も底材も薄めで、軽く屈曲性が良く、ファッション性の高い
イタリア製靴などに多く用いられています。
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構造上、耐久性はウエルテッドに劣ります、また、底縫い糸が靴の内部まで通っているため、耐水性も弱いといえます。



製作例
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軽く屈曲性が良いという特徴を生かして、スリッポンタイプ、ローファーなどに多く用います。
ウエルテッド製法に比べ、コバの出っ張りを少なくできるので、スマートな印象。

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底付けの縫い糸は、中底まで通っているため、そのままでは靴内部に水分が染み込んで来る可能性が高くなるので伏せ縫いをして見えなくします。
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標準仕様の靴底仕上げ

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滑り止め付

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ウエスト部分だけを、縫い目を出すと言う手法もあります。